京大呼吸器外科 京都大学医学部附属病院呼吸器外科

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ごあいさつ

伊達洋至( 京都大学大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学 教授)

 京都大学呼吸器外科教室は、昭和16年(1941年)に開設され、80年間の歴史があります。呼吸器外科としては、日本で最も古い教室の一つです。京都大学の基本理念である自由な学風が継承され、多くの人材と業績を輩出してきました。現在は、スタッフ9名、後期研修医4名、大学院生17名、合計30名が所属しています。

 臨床においては、肺癌などの悪性腫瘍に対する手術や肺移植など、さまざまな呼吸器外科手術を行っています。大学病院ならではの困難な手術を多数行っており、年間手術症例数は500例を超えています。早期肺癌においては、胸腔鏡手術を標準術式としており、4pぐらいの一つの傷だけから手術を行う単孔式も取り入れています。より精密な手術を可能とするロボット手術も約200例になりました。2019年には世界で初めてマイクロチップを使った肺癌手術に成功しました。(RFIDマイクロチップを用いた肺癌手術の臨床使用を開始:リンク)
京都大学が開発したRFIDマーキングシステムによって、小さな肺癌の場所を容易に同定し、過不足なく切除することを可能とし、すでに30例以上に実施してきました。進行肺癌に対しては、化学放射線療法や免疫療法と手術を組み合わせた集学的治療を行っています。片肺をいったん取り出して、体外で癌を切除して、癌のない残りの肺を元に戻すという自家肺移植にも成功しました。

 肺移植に関しては、日本で最も多くの270例を超える実績があります。その5年生存率は約75%であり、世界平均の55%を大きく上回っています。新しい移植術式の開発も行ってきました。2014年には、世界で初めての反転生体肺移植に成功しました。(京大病院広報:PDF)
2020年には、脳死ドナー肺を体外で評価するEVLP(ex-vivo lung perfusion)を2例に実施し成功しました。また、小児に対する区域肺移植にも成功しました。2021年4月には、新型コロナ感染後肺障害に対する世界で初めての生体肺移植を実施しました。このことは、CNNやBBCでも取り上げられました。

 基礎研究としての、癌研究、肺移植研究、再生・医療工学研究も充実し、教室からは、年間50本近くの英語論文を世界に発信してきました。これを可能にしているのが素晴らしい人材です。12年間で71名が新しく京都大学呼吸器外科同門に加入し、同門は276名になります。約30の充実した関連施設は、関西を中心に広く西日本に分布し、年間8000例以上の手術を行っています。先にも述べた自由な雰囲気とともに、同門は固い絆で結ばれており、次世代教育も順調であると自負しております。

 素晴らしい人材と環境に感謝し、教室がさらに発展するように努力してまいりたいと思っております。関係各位のご協力をよろしくお願い申し上げます。

令和3年5月

京都大学医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学 教授
伊達洋至

伊達教授のプロフィール

伊達教授の過去のごあいさつ(平成19年)

伊達教授の過去のごあいさつ(平成21年)

伊達教授の過去のごあいさつ(平成28年)

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