京大呼吸器外科 京都大学医学部附属病院呼吸器外科

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教室概要

対象疾患

1. 原発性肺癌

気管支鏡検査、胸部および上腹部CT、頭部CTまたはMRI、骨シンチ、FDG-PETなどで病期を確認し、全身状態や年齢を考慮して治療方針を決定している。胸部CTで縦隔リンパ節腫大が疑われる場合は、積極的に縦隔鏡あるいは胸腔鏡検査でリンパ節生検を行い、病期を確定する。

臨床病期 I 期および II 期の症例では外科治療を優先している。それぞれの治療成績(5年生存率)は、 I A期86%、I B期67%、II A期60%、II B期43%である。

III 期症例、特に胸壁や縦隔に直接浸潤している場合は、Induction therapy として化学療法や放射線療法を先行し、腫瘍の縮小が得られた場合に手術を行う事を原則としている。

IV 期症例は原則として手術対象とならないが、同側肺転移、単発の脳転移、肝転移、腎転移、副腎転移などは、当該科と協議の上、全身状態を考慮して切除を行う事がある。現在の III 、IV 期症例の外科治療成績は、 III A期28%、III B期28%、IV 期21%である。

術後の病理病期で IB期以上の症例には、術後補助化学療法を行っている。


表1 原発性肺癌に対する外科治療成績(1995-2001:手術時期)
病理病期 TNM分類 患者数(%) 5年生存率(%)
I A T1N0M0 198 (38) 86
I B T2N0M0 110 (21) 67
II A T1N1M0 21 (4.0) 60
II B   42 (8.0) 43
  T2N1M0 24 (4.6) 58
  T3N0M0 18 (3.4) 22
III A   80 (15) 28
  T3N1M0 7 (1.3) 14
  T1-3N2M0 73 (14) 30
III B   44 (8.4) 28
  T4N0-2M0 41 (7.8) 30
  AnyTN3M0 3 (0.6) 0
IV AnyT AnyN M1 31 (5.9) 21

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2. 転移性肺腫瘍

原発巣がコントロールされており、他に遠隔転移がなく、患者が手術に耐える場合は積極的に切除を行っている。現在までに253例の症例が蓄積されている。

原発巣として大腸癌(75例)、乳癌(45例)、骨肉腫(27例)が多い。各臓器別の5年生存率は、大腸癌28.0%、乳癌43.4%、骨肉腫26.1%である。

単発および多発で比較すると、大腸癌単発肺転移例の術後5年生存率は50%を越えている。大腸癌多発例の治療成績は、5年生存率で見るときわめて悪く今後の課題である。乳癌肺転移症例の術後5年生存率は、単発例57.9%、多発例32.9%と比較的良好である。

骨肉腫肺転移症例の術後5年生存率は、単発例35.7%、多発例20.6%である。骨肉腫の場合は、術後3年以上の成績は単発例、多発例ともに安定しており、長期生存が得られるケースが認められる。
さらなる治療成績の改善を目指し、補助化学療法の併用を検討中である。

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大腸癌

1990年〜2007年までで84例 男性54例、女性30例 41歳〜86歳(平均65歳)
5年生存率は60.5%、10年生存率は48.4%
転移巣が片肺のみに存在することが良好な予後因子である

Chen F, et al. Prognostic Factors of Pulmonary Metastasectomy for Colorectal Carcinomas: World J Surg. 2009 Jan 8

乳癌

1991年〜2007年までで41例 35歳〜81歳(平均55歳)
5年生存率51%、10年生存率51%
転移巣数が3個以下、またはdisease-free intervalが3年以上が良好な予後因子である

Chen F, et al. Clinical features of surgicalresection for pulmonary metastasis from breast carcinoma: Eur J Surg Oncol. 2008 Jun 16

骨肉腫

1989年〜2007年までで23例 男性15例、女性8例 6歳〜68歳(平均19歳)
5年生存率は31%
転移巣数が5個以下良好な予後因子である

Chen F, et al. Prognostic factors of pulmonary metastasectomy for osteosarcomas of the extremities: Eur J Cardiothorac Surg. 2008 Dec; 34(6): 1235-9

軟部肉腫

1993年〜2005年までで23例 男性が12例、女性が11例 15歳〜86歳(平均53歳)
5年生存率は43%、10年生存率は29%
複数回肺転移巣に対し切除術可能であることが良好な予後因子である

Chen F, et al. Significance of tumor recurrence before pulmonary metastasis in pulmonary metastasectomy for soft tissue sarcoma: Eur J Surg Oncol. 2008 Sep 5

頭頚部癌

1991年〜2007年までで20例 男性9例、女性11例 38歳〜80歳(平均63歳)
5年生存率は59.4%、10年生存率は47.5%
扁平上皮癌、男性が予後不良因子である

Chen F, et al. Pulmonary resection for metastatic head and neck cancer: World J Surg. 2008 Aug; 32(8): 1657-62

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