京大呼吸器外科 京都大学医学部附属病院呼吸器外科

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現在進行中の臨床試験

脱気変形肺に対応した微小結節の術中同定法に関する臨床的研究

1. 研究の意義と目的
 近年、CTの進歩などにより、肺内の非常に小さく淡い病変(以下、微小結節)が見つかることが多くなりました。微小結節は、小さく、硬さもあまりないため、手術中にどこにあるか、確認することが難しいことがあります。また、肺は柔らかい変形しやすい臓器で、手術中には空気が抜けて(脱気)しぼんでいるため、術前に息をしっかり吸って撮像されるCTでとは、微小結節の位置のイメージは異なります。加えて、特に最近普及している胸腔鏡手術においては、傷が小さいため触診は難しく、微小結節の場所を確かめることはさらに困難になります。
 これまで、そのような病変に対しては、手術前になんらかのマーキングを行ってきました。マーキング法は、気管支鏡を用いて肺の中に色素を打ち込むものや、CTを見ながら、体表から肺に向かって針を刺して色素などでマーキングする方法が挙げられます。しかし、これらは手術に加えて、処置が増えたり、被ばくが増えるなど患者さんの負担が増えるものです。
 現在、我々が検討している「脱気変形肺に対応した微小結節の術中同定法」に関する研究は、手術前のCTと手術中の動画をコンピュータ解析、処理し、将来的に、マーキングなしで、肺の変形と微小結節の位置の推定を行う方法を作り上げようというものです。この方法は、将来的に手術シミュレーションにもつながる可能性を秘めており、正確で安全、患者さんの負担が少ない呼吸器外科手術を行うことを目的としています。

2.研究の方法 と研究機関名
 2016年1月から2020年3月までに、京都大学医学部附属病院呼吸器外科で、手術が行われた、または、手術予定の患者さんの中で、本研究に同意される方、約100名を予定しております。
手術前に撮像したCTデータと、手術中の動画を使用して、将来的に、脱気変形した肺において微小結節がどこにあるのか推定できるような方法をつくります。
 そのため、現時点で参加される患者さんには直接の利益はありません。手術前のCTや手術中の動画は研究に関わらず、撮影されるものなので、不利益もありません。
 研究の期間は倫理審査承認日から2021年3月までの予定です。

3.個人情報の保護
 この研究で得られた個人情報が外部に洩れることのないよう厳重に管理致します。本研究における各患者番号を新たに付し、患者さんの氏名やカルテ番号など個人が特定できるものはデータ管理において記載されません。また、研究成果の発表にあたっては、患者さんの氏名などは一切公表いたしません。
 データの保管期間に関しては、本研究が終了した後も最低10年間は厳重に保管させていただきますことをご了承ください。

 また、本研究にデータを使用してほしくないという希望のある患者さんにおいては、ご希望に沿いたいと思いますので、以下の連絡先にご連絡いただければ、対応させていただきます。

 さらに、本研究において、患者さんに、追加の費用負担は一切発生しませんし、謝礼もございません。

 本研究に対するご質問、ならびに、個人情報に関する問い合わせや苦情等については、以下の窓口にて、対応させていただきます。また、本研究の研究計画書および研究の方法に関する資料の入手・閲覧をご希望される場合は、下記窓口にご連絡ください(ただし、他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内に限られます)。

連絡先:京都大学呼吸器外科 
研究代表者 伊達洋至
研究責任者 陳豊史
住所:606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院 呼吸器外科 医局
電話:075-751-4975
FAX:075-751-4974
E-mail:fengshic@kuhp.kyoto-u.ac.jp

連絡先:京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 
電話:075-751-4899 
E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp 

 

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