胸部悪性腫瘍における上皮間葉転換や癌幹細胞性、免疫チェックポイントを含む癌悪性化因子の臨床病理学的検討
(臨床研究;研究機関名 京都大学呼吸器外科)
胸部悪性腫瘍は近年増加傾向にあり、我が国におけるがん死亡の第一位となっております。胸部悪性腫瘍の進行に関する研究は非常に進んでまいりましたが,すべてが明らかになっているわけではありません。近年,基礎研究では,上皮間葉転換(がんが本来の足場をはなれ,転移しやすくなる性質)とがん幹細胞性(癌のもととなる細胞と言われるがん幹細胞がもつ,治療に抵抗する能力)ががんの進行,転移に密接に関連していると報告されており,これらについての基礎研究および臨床研究(患者さんを対象とした研究)が重要であると考えられます。
当科では1年間に200例近くの胸部悪性腫瘍手術を行っており,今回,当科にて2001年4月1日から2017年12月31日までに胸部悪性腫瘍の外科的切除を受けられた患者さんのデータを利用させていただくことといたしました。切除された胸部悪性腫瘍組織での上皮間葉転換,がん幹細胞性,および脈管・胸膜浸潤所見を調べ,再発や予後との関連を調べることによって,今後のがん治療に非常に役立つことが期待されます。
患者さんのデータは通常に診療を受けていただく際に記録されるデータであり、また病理データはすでに切除後の組織を用いて検査を行いますので,特別に患者さんに御負担いただいて収集するものはございません。また、過去の診療記録から得られた資料を用いますので、同意書は頂きませんが、患者さんの臨床データや病理検査結果(腫瘍の組織型やリンパ節転移の有無、脈管への浸潤度合いなど)についての情報は匿名化され、利用した項目は個人が特定されるような情報と紐づけしないで解析し公表することにし、プライバシーは保護されております。
この研究で得られた結果は,専門の学会や学術集会に発表されることがありますが,患者さん個人に関する情報が外部に公表されることは一切ございません。
データ利用の目的と趣旨をご理解いただきますよう,よろしくお願い申し上げます。
この患者さんを対象とした研究に対してご質問のある方、また、手術を受けられた方が未成年の場合や意思疎通が十分にできない方の場合で、保護者もしくは身内の方でご質問のある方、もしくはご自身のデータを利用されたくない方は呼吸器外科医師および当科データベース管理担当者(毛受 暁史:075-751-4975)、または当院総務課研究推進掛(075.-751-4899)にいつでもお申し出ください。なお,もし研究協力を拒まれたとしても患者さんに不利益は一切生じませんのでご安心ください。
京都大学医学部附属病院 呼吸器外科
毛受 暁史
研究対象者から病院側への問い合わせ先
総務課研究推進掛:(tel) 075-751-4899、(E-mail) trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp
京都大学医学部附属病院相談支援センター:(Tel) 075-751-4748 (E-mail) ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp