肺移植後における悪性腫瘍発症例の検討
(臨床研究;研究機関名 京都大学呼吸器外科、研究代表者 伊達 洋至)
臓器移植後の患者さんは、一般の方に比べ、術後に癌などの悪性腫瘍に罹患してしまう確率が高いことが知られています。術後の免疫抑制剤の使用が主な原因と考えられています。欧米からは、いくつかの報告がありますが、人種や移植臓器等により違いがあることが示唆されています。
しかしながら、本邦の肺移植後の患者さんにおける、術後悪性腫瘍の発症例の検討や、術前の悪性疾患との関連を示した報告はありません。そこで、当院での肺移植後患者さんで悪性腫瘍を発症した患者さんの経過や、術前の悪性疾患との関連を調査し、その結果を周知することで、今後、術前に悪性疾患を発症したことがある患者さんに対する治療方針の選択や、肺移植術後の悪性腫瘍に対する診断治療の発展に貢献できると考えています。
そのため、京都大学呼吸器外科では当科にて2002年4月-2015年7月までに脳死肺移植・生体肺移植を受けられた患者さんの臨床データを利用させていただくことといたしました。
これらの臨床データは通常に診療を受けていただく際に記録されるデータであり、特別に採血など患者さんに御負担いただいて収集するものではありません。また、過去の診療記録から得られた資料を用いますので、同意書は頂きませんが、患者さんは匿名化され、プライバシーは保護されています。研究に用いた臨床データは、論文発表してから少なくとも10年以上は厳重に保管させていただきます。患者さんには臨床データ利用の目的と趣旨をご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
本研究に対してご質問やお問い合わせ(患者さんご本人もしくはご家族の方)は、呼吸器外科担当医師または当科データベース管理担当者(連絡先1)までお申し出ください。また、京都大学医学部附属病院にも相談窓口(連絡先2)を設けております。なお、これらの臨床データ利用を拒否される場合も、以下にお申し出ください。その場合でも、患者さんには、いかなる不利益もありません。
連絡先
1. 京都大学 呼吸器外科 講師 陳 豊史
TEL:075-751-4975
E-mail:fengshic@kuhp.kyoto-u.ac.jp
2. 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
TEL:075-751-4899
E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp