京大呼吸器外科トップ > 学生・研究医の方へ > 大学院・入局・実習案内 > 見学・入局・卒後研修・修練に関して
京都大学呼吸器外科 同門会では、今後卒後研修を始められる皆様をはじめ、すでに研修中の方、研修を終えられた方に対して、広く入局希望者を募集しております。
呼吸器外科 同門会の一番大きな役割は、入局して頂いた先生方を呼吸器外科専門医、さらにはその後に続く指導医として修練できるような場を提供することだと考えています。
平成15年度卒業生からはスーパーローテート制度が開始され、それにより大学病院での研修を選択せずに直接それ以外の研修指定病院で研修を予定されている方、すでに始めておられる方もいると思います。このような動向を受け、当同門会に入局した場合の研修プログラムも以前の画一的なものから、それぞれの修練医の要望もふまえた上でのものとなります。ただ、医師免許取得後6-8年をかけて呼吸器外科の専門医になるための基礎を修得することが基本であることに変わりはありません。
以下の表は卒後研修の1例です(修練医の要望もふまえた上での調整は可能です)。
京都大学呼吸器外科教室は1941年(昭和16年)・京都大学結核研究所外科部門として発足しそれ以来、日本の呼吸器外科をリードしてきております。結核研究所はその後胸部疾患研究所(1988年・昭和63年)から再生医科学研究所(1998年・平成10年)に変革を遂げ、その際に呼吸器外科教室は京都大学医学部呼吸器外科教室となり、現在に至っています。現在は肺癌や肺移植などの最新医療に積極的に取り組み、日本のみでなく海外にも通用する成果をあげております。海外の関係大学などとも積極的な交流を行い、世界の呼吸器外科における日本のオピニオンリーダーとしての自負を持っております。
呼吸器外科同門会は、当教室に入局し、京都大学医学部附属病院、または全国の当教室関係病院(以下記載)にて活躍している呼吸器外科医によって構成されています。
市立静岡病院、市立島田市民病院、浜松労災病院、国立病院機構長良医療センター、
福井赤十字病院、市立長浜病院、彦根市立病院、健保滋賀病院呼吸器センター、
大津赤十字病院、滋賀県立成人病センタ−、国立病院機構京都医療センター、
京都市立病院、京都桂病院呼吸器センター、高槻赤十字病院、北野病院、
大阪赤十字病院、関西電力病院、市立岸和田市民病院、済生会野江病院、
天理よろづ相談所病院、日本赤十字社和歌山医療センタ−、兵庫県立尼崎病院、
兵庫県立塚口病院、西神戸医療センタ−、神戸中央市民病院、
国立病院機構姫路医療センター、倉敷中央病院、高知医療センター、
県立島根中央病院、松江赤十字病院、小倉記念病院
このように西日本の多くの主要な研修指定病院をカバーしており、本同門会に入局することで、これら関係施設での研修・修練が可能となります。卒後研修中・終了後も、複数の関係施設にて呼吸器外科としての修練を続けることで、さまざまな指導医のもとで手術手技・術後管理を習得することができます。これは外科医としての治療・技術・考え方の幅を広げる意味にも良いことであろうと考えています。
全国から集まる同門会員
当同門会の会員は、京都大学以外の全国各地の医学部の出身の先生方で構成されています。以下は最近10年間の同門会年間入局者の人数、出身大学の一覧です。
入局年 | 人数 |
---|---|
1993 | 7 |
1994 | 7 |
1995 | 7 |
1996 | 14 |
1997 | 8 |
1998 | 8 |
1999 | 3 |
2000 | 6 |
2001 | 7 |
2002 | 6 |
2003 | 6 |
2004 | 6 |
計71名うち京都大学以外の大学出身者39名
【出身大学一覧】
東北大学、弘前大学、山形大学、東京医科歯科大学、東京医科大学、東京女子医科大学、浜松医科大学、名古屋市立大学、岐阜大学、金沢大学、福井大学、滋賀医科大学、京都府立医科大学、京都大学、大阪大学、大阪市立大学、関西医科大学、近畿大学、兵庫医科大学、和歌山県立医科大学、広島大学、島根医科大学、鳥取大学、山口大学、徳島大学、愛媛大学、香川大学、高知大学、産業医科大学、大分大学、琉球大学
以上の大学を卒業した同門会員が呼吸器外科医として活躍しています(もちろん出身大学によって将来の研修・就職に差が生じることはありません)。
平成18年2月
今後、実際に修練医となる方々に対して、京都大学呼吸器外科同門会として掲げる到達目標をお示しいたします。これは京都大学附属病院呼吸器外科を含めた同門会関係各施設において同様な修練が行えることを示し、基本的には外科専門医・呼吸器外科専門医を取得するために十分な修練・経験が得られるよう作成されています。
卒後
1年目〜4年目
各施設での修練を開始し、外科専門医認定に必要な経験を積む。
全身の外科手術を経験することで、各臓器の解剖、各種検査・診断、手術器具の使い方、糸結び、手術手順、術前・術後管理、輸液・栄養管理、薬剤の使用法、救急処置等の一般的な知識・技術を習得する。
各施設指導責任者は、修練医が呼吸器外科のみでなく外科専門医取得に必要な手術症例を経験できるよう、院内外各科のローテートを考慮する。
さらに呼吸器外科専門医を目指すため、呼吸器外科の基本的手技・手術(胸腔ドレナージ、気管切開、開胸、胸腔鏡下ブラ切除術、肺生検術、転移性肺腫瘍等)の術者を行い、手術経験を重ねる。
手術実績として、最低手術件数 350例、うち術者として120例。
消化管及び腹部内臓 | 50例 |
---|---|
乳腺 | 10例 |
呼吸器 | 10例 |
心臓・大血管 | 10例 |
末梢血管 | 10例 |
頭頚部・体表・内分泌外科 | 10例 |
小児外科 | 10例 |
各臓器の外傷 | 10例 |
鏡視下手術 | 10例 |
業績
筆頭者として、適当と認められた学術集会または学術刊行物に、研究発表または論文発表をする。
*日本外科学会外科専門医認定のための修練開始登録を医籍登録後2年6ヶ月以内に済ませておく。
(2004年4月以降に医籍を登録した方が医籍登録後2年6ヶ月以内に修練開始登録を行った場合の修練期間は、医籍登録年月日から算定されますが、医籍登録後2年6ヶ月を経て修練開始登録を行った場合の修練期間は、修練開始登録を行った日から算定されず、専門医取得のための予備試験(筆記)・認定試験(面接)の受験資格取得が遅れます。
*日本呼吸器外科学会・日本胸部外科学会にも入会しておく(呼吸器外科専門医取得の際それぞれの学会に3年以上の会員歴が必要)。
5年目 日本外科学会外科専門医認定予備試験(筆記)
6年目 日本外科学会外科専門医認定試験(面接)
7年目 7年目までに呼吸器外科専門医認定試験を受験可能な手術経験、業績を最低限有する。
定型的な呼吸器外科手術(肺癌の肺葉切除、縦隔腫瘍摘除術等)に必要な術前検査・術前診断・術前Informed consentの取得・手術・術後管理ができる。
また、呼吸器の発生、解剖と機能、呼吸器外科における検査法、呼吸器外科疾患各論、呼吸器疾患の手術法、人工呼吸管理、周術期管理などに対する幅広い知識を有し、これを実地臨床に応用できる。
研修医・修練医に対して上記の知識を教え・手技を見せて教えることができる。
経験すべき手術(呼吸器外科専門医認定基準より)
重要度(A)の手術については各項目につき術者として 5 例以上の経験が必要
ただし、(A)については 5 例中少なくとも 2 例以上は開胸手術の経験であることが必要
重要度(B)の手術については各項目につき術者として 1 例以上の経験が必要
重要度(C)の手術については術者または助手として10項目以上の経験が必要
重要度(A)または(B)の項目の手術の助手として20例以上の経験が必要
※助手は第 1、第 2 助手までとする。
重要度(A) | 重要度(B) | 重要度(C) | |||
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肺・気管支 | 肺・気管支 | 肺・気管支 | |||
1. | 縦隔リンパ節郭清を伴う肺葉切除術 | 1. | 浸潤臓器合併切除(壁側胸膜切除を含む)を伴う肺切除術 | 1. | 肺区域切除術 |
2. | 肺区域・肺葉切除術又は肺全摘除術 | 2. | 肺部分切除術 | 2. | 肺全摘除術 |
縦隔 | 3. | 肺嚢胞切除術・肺縫縮術 | 3. | 胸膜肺全摘除術 | |
3. | 縦隔腫瘍・胸腺摘除術 | 4. | 気管支形成を伴う肺葉切除術 | ||
5. | 気管分岐部再建術 | ||||
6. | 気管気管支の部分切除再建術 | ||||
7. | 肺動静脈瘻手術 | ||||
8. | 肺分画症手術 | ||||
9. | 良性腫瘍核出術 | ||||
10. | 空洞切開術・形成術 | ||||
11. | 気管瘻造設術 | ||||
12. | 気管支瘻閉鎖術 | ||||
13. | 気管食道瘻の手術 | ||||
14. | その他の肺・気管支手術 | ||||
縦隔 | |||||
15. | 浸潤臓器合併切除を伴う縦隔腫瘍摘除術 | ||||
16. | 亜鈴型神経性腫瘍摘除術 | ||||
17. | 縦隔ドレナージ | ||||
18. | 心嚢ドレナージ | ||||
19. | 縦隔鏡下生検 | ||||
20. | その他の縦隔手術 | ||||
胸壁・胸膜・横隔膜 | |||||
21. | 胸郭成形術 | ||||
22. | 膿胸手術 | ||||
23. | 血胸手術 | ||||
24. | 乳糜胸手術 | ||||
25. | 胸膜腫瘍摘除術 | ||||
26. | 胸壁腫瘍摘除術 | ||||
27. | 胸壁再建術 | ||||
28. | 漏斗胸・鳩胸手術 | ||||
29. | 胸囲結核手術 | ||||
30. | 横隔膜ヘルニア根治術 | ||||
31. | 横隔膜挙上症手術 | ||||
32. | 横隔膜腫瘍摘除術 | ||||
33. | その他の胸壁・胸膜・横隔膜手術 |
業績
論文・著書 3 編以上(筆頭論文1編以上を含む)
学会発表 全国規模の学術集会において筆頭で 3 回以上
(少なくとも 1 回は日本胸部外科学会総会または日本呼吸器外科学会総会で発表)
学会参加 日本胸部外科学会総会または日本呼吸器外科学会総会に計 3 回以上参加
当科では呼吸器外科に興味のある医学生を対象に、病院実習を行っています。
例年、夏休みや春休みを利用して多数の学生が参加しますが、希望があれば実習は随時受け付けています。実習期間は通常1-2週間ですが、特に決まりはありませんので、担当者までご気軽にご相談下さい。
当科では毎年、10-12月にかけて入局説明会を2回行っています。
呼吸器外科を進路の選択枝の一つに考えている方は勿論、少しでも興味のある方は大歓迎です。
また、この入局説明会以外でも、「呼吸器外科について少し話を聞いてみたい」などのご希望のある方も、いつでも歓迎しますので、ご遠慮なくご相談下さい。
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院 呼吸器外科
Tel:(075)751-4975 Fax:(075)751-4974
または:thoracic@kuhp.kyoto-u.ac.jp