京大呼吸器外科 京都大学医学部附属病院呼吸器外科

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現在進行中の臨床試験

患者さんへ
〜転移性肺腫瘍に対する、蛍光塗料インドシアニングリーンを利用した切除支援システム〜

(臨床研究;研究機関名 京都大学呼吸器外科)

切除可能な転移性肺腫瘍に対する肺切除術は、有効な治療として考えられています。京都大学呼吸器外科においても、転移性肺腫瘍切除後の長期成績は良好であった一方で、完全に切除したと考えられる場合でも、術後再発して、再手術を含めた治療が必要になることもあります。その理由のうち、1点は、転移性肺腫瘍に対する有効な切除マージンが確保されていない可能性があるために局所再発する可能性があります。またもう1点は、初回手術における認識できなかった微小病変が切除されていない可能性があげられます。つまり、転移性肺腫瘍の微小病変の中には、術前の画像診断(主としてコンピューター断層撮影)や術中の視診触診でも認識できないものがあり、そういった微小病変を初回手術で発見して切除すれば、長期成績が改善するかもしれません。その2点を解決するべく、蛍光染料であるインドシアニングリーンに着眼し、今回の臨床試験を計画するに至りました。インドシアニングリーンは、肝臓疾患における肝機能検査として全身投与(経静脈投与)することが、本邦や米国で認められている薬剤です。あらゆる外科領域で、安全性も確立されており、現在最も臨床で汎用されている蛍光色素マーカーの一つです。

当臨床試験の方法としては、まず病室にて手術予定時間の12‐24時間前に、四肢の末梢静脈より体重1kgあたり、2mgを静脈内投与します。手術当日手術室において、通常の手順(胸腔鏡下もしくは開胸下)で 転移性肺腫瘍切除手術を行います。胸腔鏡手術では、赤外線励起可能な胸腔鏡を使用して、開胸手術においては赤外観察カメラシステムを使用することにより、切除予定の転移性肺腫瘍から判別可能な蛍光を発しているかを判定します。術前のコンピューター断層撮影等で同定されている病変が蛍光を発しているかだけではなく、術前には同定されていないが蛍光を発している病変がないかも検索します。

術前に同定されている病変は、蛍光が発しているかどうかにかかわらず切除します。術前に同定されていない病変で、術中に蛍光を発しているものは、転移性肺腫瘍として臨床的に疑いがある場合切除します。研究期間は医の倫理委員会承認日から2年間です。当臨床試験に参加された患者さんは匿名化され、プライバシーは保護されています。つまり、診療録からは、個人情報管理者が氏名、住所、患者ID、生年月日などの個人情報をすべて削除して匿名化したデータを作成して解析を行います。個人情報(患者情報)自体も厳重に管理します。患者さんには、当臨床試験の目的と趣旨をご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。研究計画書および研究の方法に関する資料は、ご希望があれば(他の患者さん等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内に限りまして)入手閲覧して頂くことができます。

このような臨床研究に対してご質問のある方(患者さんご本人もしくはご家族の方)は担当医師または当科研究責任者(陳豊史:075-751-4975)または当科データベース管理担当者(濱路政嗣:075-751-4975)までお申し出ください。また、病院の相談窓口として、京都大学医学部附属病院 経営管理課 研究推進掛(電話:075-751-4899、E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp)もご利用いただけます。

 

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